2007年04月03日
トレードオフch279「MONDO21」で「TVゲームジェネレーション〜8bitの魂〜 #4」見ました。前回、ゲームクリエイター遠藤雅伸に、致命的な欠点として「トレードオフ(二律背反、ハイリスクハイリターン)がない」とダメ出しされてしまった「ボッチャ〜ン」。今回は“目が覚めた”とばかりに、なりふり構わずあらゆる方面に協力を求める「いいとこ取り作戦」に打って出たポリゴン犬飼さん。サブタイトル「犬飼の悪巧み」て(笑)。

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スポーツの延長線上ボッチャ〜ンは、「サッカーやバスケなどの“スポーツの延長線上”にあるゲーム」と説明する犬飼さん。水面に浮かぶボールに岩をぶつけ、ボールを相手のゴールへ誘導するというゲームシステムですが、次の三つが犬飼さんが考えたトレードオフ。だんだんゲームらしくなってきました。

トレードオフ その1
『岩の出現位置を固定(時間と距離)』

新しい岩を自分のゴール付近に出現させる事で、ボールが相手のゴールに近づくにつれて、新しい岩を取りに行く距離が遠くなり不利になる。

トレードオフ その2
『ため投げ(力と時間)』

Aボタンを押し続け力をタメると、投げる威力が増し遠くに飛ばす事ができる。その間、動けなくなり邪魔されやすくなってしまう。

トレードオフ その3
『キャラのスタミナ』

Bダッシュを多用するとスタミナが切れ、息切れモーションが出て動けなくなってしまう。

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プログラム作業報告

プレイヤーの状態遷移を実装しました。ゲーム画面で仮の自機を8方向に動かせます。岩と重なってAボタンを押せば岩が持てます。
最初のボッチャ〜ン開発開始から約3週間、猪尾さんから最初のプログラムが届くも、いまいちピンと来ない様子の犬飼さん。想像以上に8bitのプログラムは難しいようです。…という事で、どういう経緯で決まったのかは分かりませんが、岐阜県在住の助っ人プログラマー平井さんが、ボッチャ〜ン製作スタッフに加入!地域が離れていても、ウェブ上でのやり取りでゲーム製作ができてしまうなんて、本当に凄い時代になったものです。ちなみに平井さんはアセンブラの経験なし。
ポリゴン犬飼
「ロムの限界って考えて作ってる?」
プログラマー平井
平井さん「あんまり考えてないですね。」
ポリゴン犬飼
「あ、ホント?あのね、32キロバイトしかないんだ。」
プログラマー平井
「…。」
小林D
「ファミコン開発してて、どこ大変だと思ってます?」
プログラマー平井
「8ビットで細かい動きをやろうとしてるので大変ですね、作るの。普通に物理演算できないんで、8ビットは。掛け算、割り算もまだ無いっていうか、あまり使えないんで…。」


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グラフィック

こだわりの世界観前回、遠藤氏に「世界観なんていらない」というアドバイスを受けるも、そこにはこだわる犬飼さん。グラフィッカーと相談して世界観をイメージしたキャラを描いていくんですが、最初の頃は「ドット絵は自分で描いた“フロントライン”でいい」みたいなこと言ってませんでしたっけ?(笑)。

メタリックな感じ犬飼さんの要望通り、「ゼビウスのような自然とメタリック」なイメージで描かれたキャラクターがこちら。
ポリゴン犬飼
「色んなモノが凝縮してるよね(笑)。」


シンプルなデザイン上のキャラは、最初は犬飼さんも「ファミコン世代にウケるよね」と結構ノリ気でしたが、遠藤氏の「ファミコンが廃れてきた時代に生まれた子供にもウケなければ」という言葉が頭を過ぎり、結局こちらのシンプルなデザインのモノで製作される事に。

ちょっとしたキャラクターの動きや表情って、結構子供って見てるんですよね。これに、例えば、大差で勝利した時はエロ目になるとか、100回に1回ぐらい岩を持ち上げた時にオナラをするなどの、小学校低学年レベル的な遊び心を見せれば、結構食いつく子供がいそうな気がします(笑)。

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サウンド

さすがに80年代のサウンド作りは、その道のプロでなければできないという事で、犬飼さんはある大物サウンドクリエイターに依頼し、なんと参加してもらえる事に!

中村隆之
ブレインストーム代表。バーチャファイター等、セガの大作ゲームを手掛けてきたサウンドクリエイター。8ビット機のゲーム開発に携わった最後の世代で、参加の動機は「ライバル機(ファミコン)の音作りを知ってみたかったから」。
中村隆之難しいのは“曲と効果音”と語る中村氏。あらゆる組み合わせで矛盾が発生させないようにする作業が、サウンドクリエイターにとって腕の見せ所だそうで。やっぱり「ボッチャ〜ン!」という効果音は重要ですからね。

中村隆之
「音楽家の方だと意図しないところで意図しない音が流れる事に対する“嫌な感じ”があると思うんですよね。ゲーム的な感覚があれば、そんなに音楽の技術っていらない気がしますね(笑)。」


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プログラム作業報告

スプライトデータ、背景データは実装しました。ボールの動きも実装しました。仮ですがそれっぽく動いてると思います。
プログラマーが2名になった事で、一気に進化を遂げたゲーム画面。ちゃんと“ボッチャ〜ン”もできるし、水の撥ね上がる動作も表現されているし。“波を利用してボールを動かす”というのは、さすがに難しいようです。

ボッチャ〜ン試作品ボッチャ〜ン試作品

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さらに「デザインにもう一押し磨きをかけたい」と犬飼さんが押しかけたのは…。

岡本吉起
ゲームリパブリック代表取締役社長。元カプコン専務取締役で、「エグゼドエグゼス」、「ソンソン」、「1942」、「タイムパイロット」等を手掛けたゲームプロデューサー。特に、デビュー作にしてヒット作となった「タイムパイロット」は、岡本氏が上司に黙って作ってしまったモノだったそうです(笑)。
岡本吉起
岡本吉起「上司がね、「ドライビングスクールっていうの作れ」って言うんですよ。「そんなの売れねぇよ」って思って。会社に上司がいる時には、車が回転するキャラ作っといて、帰ったらキャラを飛行機に変えてダダダダッと(笑)。シューティングゲームっていうのは、ロケーションテストのちょい前ぐらいにバレたんですよ。「お前っ!!」言われて。」


岡本氏の大胆な行動に驚く犬飼さん。ボッチャ〜ンで考えたら、猪尾さんと平井さんがこっそり全く違うゲームを作ってたっていう事ですからね(笑)。

岡本吉起
「コレ、当時出てたら、結構イケてたかもしれないですね。できたら…できないんですけど、COMはやっぱ動いて欲しいなっていう。」


これは一人プレイできないという事でしょうか??前々回「一人プレイもできて、二人プレイもできて、協力もできて、対戦もできる」と言っていたのに、早くもこの時点で一人プレイと協力プレイができないという事になってしまいますが…。

岡本吉起
「よく飛ぶボールとか高い得点のボールとかあります?」
ポリゴン犬飼
「得点は、このゲームの場合、重要じゃないと思ってて。」
岡本吉起
「もしもし?(笑) ホントですか?!」
ポリゴン犬飼
「サッカーみたいなもんなんで…。一番プライオリティが高いのは、試合に勝ったかどうか。」
岡本吉起
「いやいや、僕が言いたいのは、バスケットって3ポイントがあるから逆転できるじゃないですか?つまり、3対0になったら逆転できなくて嫌になるでしょ?」


確かに一発逆転がないと嫌になりますね。

岡本吉起
岡本吉起「桜井政博さん(ゲームディレクター)が「ゲーム性とは、リスクとリターンのバランスだ」って言ってるんですね。“うまくボールが運べない、まっすぐに飛ばせない、だけど一挙に3点取る可能性がある”みたいな。3点に固執してる相手を尻目に1点を最初に入れて、あとはそいつのボールの邪魔をして逃げ切るとか。そういう面白いゲーム性が作れないものかなと思って。」
ポリゴン犬飼
「それ、いただいていいっすか?」
岡本吉起
「もちろん。5000円です。」


アイディア料5000円(笑)。ここでもやはり“リスクとリターンのバランス”が出ましたね。

岡本吉起
「ゴールの端に入る時とゴールの真ん中に入る時で得点が変わったりすると、ちょっと嬉しいかもしれないですね。奥に入った方がいいのか、ど真ん中で止めんのがいいのか。どのぐらい弾むかによって場所は変えなきゃいけないですけど。そうすると楽しくなりますよね。200円。」


ダーツみたいに、ゴールに入る位置で得点が変わるシステムはいいかも。

岡本吉起
「水の深さを変える。色を変えるだけなんですけど、ここを深くすると波の大きさがドボ〜ンとなるんで広がりが大きくなるとか。そういうのができるとゲーム性が広がると思いますね。さらに500円追加、お願いします(笑)。」
小林D
「金かぁ〜何でも(笑)。」


プレイヤーを飽きさせないためにも、ステージによって水の深さが違ってたり、プール(?)の形が違ったり、というのは必要かもしれないですね。

岡本吉起次々と飛び出すアイディアに、目を白黒させる犬飼さん。そこでもう一つ、コードネーム「ボッチャ〜ン」に代わる正式タイトルのアイディアも、岡本氏にお願いしてみる事に。
岡本吉起
「スーパーマリアシスターズ。」
ポリゴン犬飼
「それ、途中まで聞いた事ありますね(笑)。」
岡本吉起
「いやいや、何で?女の子ですよ?スーパーマリアの姉妹。マリアとルイーザ。ニューハーフの女の子…オカマの男二人が「マリアと呼んで!」みたいな(笑)。「ヒゲ生えてんじゃん」みたいな。」


コレ、面白そう!!!(笑)

岡本吉起
「アメコミの爆発音とか、水ん中に落ちた時の“ズバゴーンッ!”みたいな音出るじゃないですか。あんなのどうですか?“ボチャ〜ン”て何かベタなんで、アメリカンな感じで。」
ポリゴン犬飼
「分かりました。帰ってそこの線でいってみましょう。」
岡本吉起
「スーパーマリアシスターズ、イチオシだったんだけどな〜。」


とにかく一つ一つのアイディアが、とてもスバラシイ。ゲームの面白さの真髄とは「勝敗よりも、くやしくてもう一回やりたくなるゲーム」と語る岡本氏。理想のゲームを追い求めて会社を立ち上げただけあって、本当プレイする側のことをよく考えてますよね。おかげで今回かなり進展した「ボッチャ〜ン」プロジェクト。これがさらにどう進化していくのか、今後も注目ですね。

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TVゲームジェネレーション〜8bitの魂〜
MONDO21
≫前回:TVゲームジェネレーション #3


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