ch279「MONDO21」で「TVゲームジェネレーション〜8bitの魂〜 #3」見ました。前回「一人プレイもできて、二人プレイもできて、協力もできて、対戦もできる」というコンセプトをもとに製作されることが決定した8bitゲーム「ボッチャ〜ン」。開発期間は2ヶ月しかない上、スタッフそれぞれが多忙だという事で、開発は主にウェブ上で行われることに。ポリゴン犬飼
「時間さえ合わせておけば、打ち合わせとかはスムーズにいくし。そういう無理矢理な環境でやっております。」
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開発スタート
開発に採用されたエミュレータ(模倣装置)は、VirtuaNES。フリーソフトなのでコストゼロで利用できる上、マイク入力にも対応しているので「たけしの挑戦状」も動かす事ができるという優れモノ。マイクはボッチャ〜ンには関係なさそうですが(笑)。Norix氏(VirtuaNES開発者)
「僕の中では、実際にエミュレーションするだけじゃなくて、もうコストゼロでプログラミングができるっていうのがありますし、最初は絵を描きかえて遊ぶとか、そういうレベルでも構わないんですけれども、そういうところからプログラミングとかに興味を持っていただけたらありがたいなと思いますけれども。」
番組スタッフ
「僕達がこれで自作しようと思ってるんですけど、その事についてはどう思われますか?」
Norix氏
「凄い面白いなと思いますよ。ぜひ完成させて欲しいですね。実際にファミコン上で動くゲームを開発してもらったりとかもしてるんで。その辺についてはありがたいなと思いますね。」
「ボッチャ〜ン」で使える開発容量は、プログラム32KB、キャラクター8KBという、写メール1枚分にも足りない容量。単純に考えたら「写メ1枚>マリオブラザーズ」ですよ?
ポリゴン犬飼
「本当にファミコンの非力さを感じるわ…。今のライブラリ(製作に必要な演算等があらかじめ作成されてるソフト)のありがたみを感じるっていうか(苦笑)。」
そして苦労の末、「ボッチャ〜ン」の概要を一つの仕様書にまとめ上げた犬飼さん。この仕様書のイラストなら、そのままパッケージにも使えそう。このイラストが果たしてどのようにドット絵で表現されるのでしょうか?-----------------------------------------------------------------------------------
「ボッチャ〜ン」
ゲームシステム
・1Pと2Pの対戦Aボタンは、「岩を落とす」。ボタンを押すとキャラが上に上がり、岩が落ちボッチャ〜ン!!落ちてしばらくするとキャラが元の位置に降りてくる。
・基本操作は、
「水面に浮かぶボールを岩にぶつける事」と
「落ちている岩を拾う事」のみ
・相手のゴールにボールを誘導し、
多くのボールを入れた側が勝つ(ポイント先取)
・ボールの跳ね方などで得点がつき、
ポイントによる勝負もできる
・キャラは8方向に動く
Bボタンは、主人公の移動が早くなる「Bダッシュ」。主人公の動きに慣性が付き、相手に勢いよくぶつかる事で邪魔できるというもの。“邪魔”は2人プレイで重要な要素ですよね(笑)。
犬飼さんが説明する「直接岩を当てて移動させるのと、違う所に落として波紋で移動させる」という案に、プログラマー猪尾さんはキッパリ「無理です」。波紋を表現するとなると画面全部を計算しなくてはいけないからだそうです。よくファミコンで同時に多くのキャラが動くと、処理が遅くなり全体の動きが鈍るという事がありましたが、それに近い事が起きてしまうという事なのでしょうか?確かに2ヶ所同時にボッチャ〜ンが起きたら大変そうですね…。-----------------------------------------------------------------------------------
グラフィック
グラフィックは、犬飼さんが見つけ出してきたという助っ人・グラフィッカーの岩松さんと佐藤さんが担当。お二人とも8bitゲームのようなドット絵は経験ないそうですが、さすがに企画会議で出ていた“素人のフロントライン”というわけにはいかなかったようです(笑)。使用されるソフトは、当時の画像環境を再現する事ができる「YY-CHR」というゲーム自作用のグラフィックツール。
ファミコンのグラフィックは「8×8=1チップ」を組み合わせる事で表現。キャラで例えると、「ゼルダの伝説」のリンクで4チップ、「スパルタンX」のジャッキーで12チップ、ボス等のデカキャラとなると64チップも使用。それにバックグラウンド表示(背景用)やスプライト表示(動画用)までを考慮すると、合計256チップで全てを表現しなければならないそうです。また、斜めや丸の形はチップでは表現が難しいため、より多くのチップを使用してしまうとか。
使用可能色は52色。それもカラーパレット単位に分け、チップごとにパレットを指定していかなければならない(1セット4色、8セット使用可)ので大変。色違いキャラが多いのはそのためだそうで。
当時の作り手さんたちは、この細かな条件であれだけ魅力のあるモノを表現してきたなんて、本当に尊敬してしまいます。
グラフィッカー佐藤
「(ゴールは)ひし形で表現するんですか?」
ポリゴン犬飼
「ゴールはね…それもね、今なんとなくひし形にしてるだけで、実はそこって世界観にもよるんだよね。最初、俺がやりたかったのは、土管なんですよ。何で土管かっていうとファミコンっぽいからっていう理由しかないんだけど…(笑)。」
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ここでボッチャ〜ンプロジェクトに強力な助っ人が。「ドルアーガの塔」、「ファミリーサーキット」、「ケルナグール」、「ゼビウス」等、80年代の数々の名作を手掛けたゲームクリエイター遠藤雅伸氏とコンタクトを取る事に成功!遠藤氏には、ゼビウスを製作する際、先に壮大なストーリーを作り込んでからゲームデザインに臨んだという逸話があるそうで。当時、僕が何となくゼビウスに謎めいた魅力を感じていたのは、そのせいでしょうか。その遠藤氏に犬飼さんはボッチャ〜ンの世界観についての相談を。ポリゴン犬飼
「ストーリーというか、理由みたいなものが必要かと思って…。」
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「ストーリー性はいらない」
遠藤氏の口からは「世界観なんていらないじゃないですか」という意外な一言が。確かに遠藤氏の言う通り「ディグダグ」や「パックマン」は世界観がないに等しいけど名作ですよね。遠藤雅伸
「それは後から考えれば良いだけで。ゲームに説明を求めるようになったのが良くない傾向なんで。ゼビウスの世界観も後付けなんで。」
小林D
「先に世界観があったのでは?」
遠藤雅伸
「それは当時のプロモーションです。それ言ったら、先にあった世界観はベトナム戦争でヘリコプターでジェット機を打ち落とすようなゲームでしたから。凄い人殺し感が強いゲームだったんですよ。」
* * * * *
「慣性はマイナスポイント」
慣性ついてて狙い難い事で失敗したクソゲー「エクセリオン」を例に挙げ「慣性をつけると、たいていクソゲーになる」「直情的なゲームであるべき」と説明。ボッチャ〜ンについても“チョン押し”と“長押し”に違いを付ける事で綺麗なアクションになるとアドバイス。遠藤雅伸
「ボタン押した時に“この位の事が起こって欲しい”っていう自分のイメージみたいなものが、ちょうどそこに現実化されるみたいな位がいいですよ。スペランカーは「この位置から行けば大丈夫」って思っても、跳ぶ事ができないんで死んだりするわけじゃないですか。」
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「ハイリスクハイリターン」
クリエイター魂に火がついた遠藤氏。ボッチャ〜ンの致命的な欠点として「リスクがない」「無難すぎる」とズバリ指摘。
遠藤雅伸
「何かに対してトレードオフ(一つを追求して他を犠牲にしている状態)になっている部分が見受けられない。危険を冒す部分と、それに対して成功した時に高得点とかなくて、淡々とやってるだけですよね。長押ししてるとグーッとたまって一発でいけるとか。ためる時間動けなくなっているうちに相手にドーンと当てられちゃったりとか。その押してる間、固まるのがネガティブなトレードオフの良さになってるっていうのが大事なとこなんで。」
ポリゴン犬飼
「それ、もらいました!」
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遠藤氏の説得力ある指摘の連続に、何も言えない犬飼さん。もう遠藤氏がこのままボッチャ〜ンを作ってしまいそうな勢いでした(笑)。
遠藤雅伸
「ゲームはもっとズボラに作られて、後で帳尻を合わされるもの。」
遠藤氏曰く、レトロゲームが面白いと思うのは「本当に面白いのではなくて、自分の思い出に対しての価値観が変わってないだけ」。自分の子供にファミコン時代のゲームをやらせても、反応は「つまらない」。確かにドルアーガの塔やケルナグールは、現代のゲームを体験してしまうとショボイだけかもしれませんが、テトリスやスーパーマリオのように受け入れられ続けているゲームも多々あるのも事実。ファミコン世代のレトロゲーム好きな僕としては、「8bitゲーム=レトロ」というイメージを覆すような、どの世代も納得のいくような8bitゲームを作ってほしいと思いました。
エミュレータでレトロ・ゲームを楽しむ本「吸い出し」「互換システムROM」から
「インストール」「起動」まで
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TVゲームジェネレーション〜8bitの魂〜
MONDO21
≫前回:TVゲームジェネレーション #2

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