
藤原喜明
「彼はね、凄く正直な人間なんで、敵を作るんだよね。だから、敵を作らないような方に引っ張っていこうかなと。たぶん無理だと思うんですけどね(笑)。」
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前田日明事件簿
結構、聞いたり読んだりした話ばかりでしたが、今改めて本人の口から聞くと、やっぱスゲ〜。色んな意味で(苦笑)。
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忘年会で暴走族にハイキック事件
藤原喜明

前田日明
「飲みましたね。」
藤原喜明
「お前、酒弱いから止めとけ、あんまり。お前、酒飲むと癖悪くてな。すぐ喧嘩始めるし、バイクに…暴走族にハイキックやったからね(笑)。」
前田日明
「忘年会やったんですよね。当時の益荒雄関、寺尾関と仲良しで。んで、藤原さんと高田と俺と。あと何人かいて。ほんで藤原さんの家の近くで忘年会やって盛り上がって。二次会行こうっていう事になったんですけど、俺さんざん酔っ払ってワーッてやってるから、「もうお前は来んな!癖悪いから!」って。「藤原さん、いいじゃないですか」「いいよ、お前はもう。帰れ」とか言って。「何でですか、藤原さん。冷たいじゃないですか」って言ってる時にチクショーと思って見たら、暴走族通って来たんで、いきなりバーンッて回し蹴りしたんですよ(笑)。」
藤原喜明
「あれ綺麗だったな(笑)。」
前田日明
「ヘルメットの上にガーンッて当たって。ほんでダルマ落としみたいに暴走族の乗ってるやつだけストンと落ちて。バイクだけヒューッて無人で走ってってバタンと倒れて。ほんで向こうの方から「何すんだ!オラァ!」って言うから、「何コラ!」ってワーッて行ったら、益荒雄関も寺尾関も酔っ払ってるからみんなで酔っ払って走ってったんですよ。ほんで藤原さんの知り合いのタクシーの運転手が走ってって「お前、ヤバイから逃げろ!」って。逃げました。」
藤原喜明
「あいつ(運転手)が「てめぇ、この野郎!」って一番最初に(暴走族に)言ったんだよ。そしたら後ろから裸の大男が走って来るから、「お前、殺されるから逃げろ!」って言ったんだよ。正解だった、あれ(笑)。楽しかったな、でもな。」
現役バリバリの前田&益荒雄&寺尾が酔っ払って走ってきたら…運転手さんのおかげで命拾いしましたね(笑)。
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旅館1軒破壊事件
藤原喜明

前田日明
「UWFと新日本が仲良くなるようにって、親睦会とか言って。で、一升瓶のケースがいっぱい来たんですよ、何ケースも。あの時ビックリしたのが、坂口さんが酔っ払って、寝転んで「前田、蹴れるもんなら、蹴ってみろ〜!」って(笑)。」
藤原喜明
「酔っ払ってたんだろ?お前、正直だからすぐ(本当に)やるんだよな(笑)。「やれるもんならやってみろ」って言ったら、すぐやっちゃうからな、お前は(笑)。」
前田日明
「(笑)。」
藤原喜明
「危ないやっちゃ、本当に(笑)。」
前田日明
「で、去年船木に聞いたら、あん時何か、俺と武藤と高田の3人でジャンケンして殴りっこしてたって。」
藤原喜明
「やったやった。」
前田日明
「あん時“ピー”さん、焼酎の空瓶でぶん殴ろうとしたんですよ、後ろから。ほんで船木がすぐ止めたんですよ。」
藤原喜明
「そんなの放送できねえじゃねえかよ(笑)。」
この“ピー”は、世界の荒鷲??
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花見で「取れるものなら取ってみろ」事件
前田日明
「新日本入って、斎藤、平田たちが入って、最初の年にミスター高橋さんが「花見やろう」とか言って。「お前ら、花見やる前に、みんなどんだけ飲めるか、ちょっと試しに飲んでみろ」とか言って。同じ年代3人だから、競争になるじゃないですか。俺、飲めないのにレモン絞って日本酒をガンガンやったんですよ。プツッと訳分かんなくなって。気がついたら縛られてたんですよね。猿轡はめられて。聞いたら包丁振り回して…(笑)。」
藤原喜明
「知ってるよ。俺、聞いたよ。バサッと振ったら、(白刃取りみたいに)ガッとやって、バサッと(手を)切ったんだろ?」
前田日明
「高橋さん、包丁取ろうとしたんですよ。俺、刺したらしいんですよね。「取れるもんなら、取ってみい」って(笑)。」
藤原喜明
「昔からアホだったな?お前な?(笑) 細いくせに無茶苦茶だったよ。」
包丁振り回したっていうのは聞いた事ありましたが…こういう経緯だったんですね(苦笑)。
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アントニオ猪木とスパーリング事件
藤原喜明

前田日明
「藤原さんとこに「今回入る前田明といいます。スパーリング教えて下さい」とか言ったら、「フッ。やだよ。向こう行け。シッシ」とかやられて(笑)。」
藤原喜明
「シッシとは言わないよ(笑)。だって、細くてヘロヘロでさ、これ壊しちゃったら大変な事になるなと思って。」
前田日明
「いつも行ったら「シッシ」って言われてね。ほんで徳山の体育館で猪木さんがそれを気の毒に思ってね、「おい、前田来い。スパーリングやってやるよ」とか言ってくれて。「自分、スパーリングって全然わかんないんで。プロレスの寝技とか知らないんで、何やってもいいですかね?」って言ったら、猪木さんに「おお、何やってもいいよ」って。“何やってもいい”って言われたから、猪木さんは“世界のアントニオ猪木”だから、本当に何やってもいいんだろうなと思って。ふと当時流行った「空手バカ一代」の漫画に、大山倍達さんが「レスラーとやる時は、金的と目潰ししかない」と…。」
藤原喜明
「(ニヤニヤ)。」
前田日明
「俺はその時は何か自分の空手を代表してるようなつもりでいたから変な事はできないなと思って。「よし!」と思って、金的入れて目潰しやったんですよ。ほんならモロに入って。猪木さん「ヴ〜」って言った瞬間にね、まわりで練習してた木村健吾とかみんなに「何するんだ!」ってボコボコにされて。」
藤原喜明
「(ニヤニヤ)。」
前田日明
「その時は何で殴られたか分かんないんですよ。だって猪木さん「何してもいい」って言ったのに、何で俺が殴られなきゃいけないんだって。顔こんななって(腫れて)。悔しくて控え室で顔洗ってたら、藤原さんが「お前、なかなか根性あるじゃないか、この野郎。明日から俺とスパーリングやろう」って(笑)。」
藤原喜明
「俺はバカが好きなんだよ(笑)。あんな事やったら殺されるぜ?お前。いい根性してた。バカだったよ。俺、バカ好きなんだよ(笑)。」
これは結構有名な話ですね。当時の前田さんは(今もだけど)純粋すぎるというか、ある意味真面目というか…。小鉄さんに「毎朝、水撒きしろ」と言われて、雨の日でも水撒きしてたんですよね(笑)。
前田日明
「そうやって藤原さんと1年位スパーリングやってて、ある日“ピー”さんが「俺とスパーリングやろう」って。やったら全然大した事なかったんですよ。“ピー”も大した事ないなと思ってたら…。」
藤原喜明
「それ、使えねぇだろ!?」
前田日明
「ほんで、でもあんまり本気でやって“ピー”なかったら、ちょっと“ピー”な〜とて思って、わざと(腕が取れるように)垂らしたりしたんですよ。藤原さんに怒られてね。「俺はそんな事するために、お前にスパーリング教えてるんじゃない」って言われて。で、あの藤原さんが涙ポロッと流してるんですよ。ビックリしてね。ほんで藤原さんにも恥かかせたなと思って、翌日“ピー”さんに「スパーリングお願いします」って行ったら、今度はやってくれなかったですね。」
藤原喜明
「覚えてるよ。俺が「ちょっと来い!」言って。悲しくてな。」
前田日明
「今でこそ新日本プロレスはね、スパーリングとか総合格闘技目指してやってたとか言うんですけど、俺たちだけですよ。リングでスパーリングやったら「邪魔だから向こう行け」とか言われて。ほんでしょうがないから体育館の舞台の上とか板の間の上でやったんですよね。」
藤原喜明

前田日明
「くれましたよね(笑)。「お前ら頑張ってんな。飯でも食え」って。あん時、ブッチャー小遣いくれたんですよ。「ブッチャー、いい人だなぁ」って思って(笑)。」
藤原喜明
「お前、金くれればいい人なのかよ(笑)。」
前田日明
「ブッチャー、守らなきゃいけないなと思って(笑)。」
ブッチャーの話、スーパースター列伝とかに出てきそうないい話ですね(笑)。「俺とスパーリングやろう」と言ったのは、話の流れと口の動きからすると坂口さん?(汗)
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あの「前田×アンドレ」の真相
前田日明

藤原喜明
「ピーが入るのかな?」
前田日明
「でも、アンドレにあれをやらせたのはね、“ピー”ですね。」
藤原喜明
「“ピー”と、もう一人だよ。」
前田日明
「え?あと誰ですか?」
藤原喜明
「…決まってんじゃん。お前に“ピー”たやつだよ。」
前田日明
「“ピー”?」
藤原喜明
「“ピー”。」
前田日明
「“ピー”?」
藤原喜明
「だと思うよ。放送できないけどな。」
前田日明
「あの後シャワー室に行ったんですよね。そしたら猪木さんが来て「良かったじゃないか」とか言われて。良かったと思ったんだったら、俺が困ってる時に通路で見てて、何で来なかったんだろうと思って。」
藤原喜明
「(ニヤニヤ)。」
前田日明
「翌日、デカイやつと試合やったんですよ。“ピー”と。アンドレとやった後で外人固くなるんだろうな〜、また毎日毎日あんな事やるの嫌だな〜と思って。で、パッと組んだら全然力入ってないのね。押し込んだら「アイラブユー、アイラブユー」って(笑)。」
藤原喜明
「お前、使えないこと言うなよ(笑)。で、次の日に俺がアンドレとやったんだよね。その時はお前が来てくれて、な?」
前田日明
「何かあったら今度は本当にやっちゃおうと思って。」
藤原喜明
「ありがたいよな。」
前田日明
「ほんで見たら、受身とってましたよ、アンドレが藤原さんに。」
藤原喜明
「だから面白かったんだよな。昔はな(笑)。」
前田日明
「だから昔のプロレスはね、リング上に緊張感があったんですよね。面白かったですよね。嫌だと思ったら絶対受けなかったし。」
藤原喜明
「この野郎!と思ったら行ったしな。」
昔は地上波(リン魂とか)でも結構話してた記憶があったんですが、星野さんもマスクドスーパースターも今ではNGなんですね。あとコレを企てた二人っていうのが未だに検討つかないんですが、ファンの間では有名だったりしてるんでしょうか…??
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以前のVersus「前田日明×武藤敬司」の時にも話題となった「UWF分裂の真相」。今回は前田さんと藤原組長という事で、前回以上に色々な裏話を聞く事ができました。
前田日明
「“解散”って言ったら、1週間も経たないうちに旗揚げ(発表?)して。会社も登記もらってるし、会場も押さえてるし。訳分かんなくて。」
藤原喜明
「俺のとこは急に…。(本当は)俺、プロレス辞めようかなと…。」
前田日明
「それ、船木から聞きましたよ。船木が相談に行ったんですよね?」
藤原喜明
「俺んとこに来たんだよ。俺からは行ってないよ?あっちから来て「じゃあ」って事で、バババッて…。」
前田日明
「そういう事も全然分からなくてね。UWFで一緒だったっていう人は、みんな家族みたいに思ってましたから。だから何かね…。」
藤原喜明
「色々あったな。」
前田日明
「そうですね。どうしようかな〜と思ったけど…帰るとこないんですよね、俺は。当時、母親とか父親とか全部面倒みて仕送りしたし、ちょっとしっかりせなあかんなと思った時に、ドールマンから電話かかってきて。「二人だけでもやろうよ」って言ってくれて。」
藤原喜明
「若かったんだよ。今だったら分かるよね?何か色んな事があって、色んな洗脳されたりさ。まあ色々あるわな。」
前田日明
「俺らが世間知らず過ぎたんですよね。リングの上の事しか。」
藤原喜明
「俺も騙されたよ、相当。」
前田日明
「そういうやつってね、一番最初近づいた時ね、もう満面の笑みで“この世にこれ以上ないぐらい”良い人を演技してくるんですよ。だからコロッと騙されちゃうんですよね。」
藤原喜明
「だからね、人ってのはさ、やっぱり「良い人だな」っていう人には気をつけないとな。」
前田日明
「自分でも本当に窮地に落ちたなって思った時に「大丈夫か?」って応援してくれるのは、普段つっけんどんで…何かそういう人なんですよね。」
藤原喜明
「良い人には気をつけろって事だよ。俺もやられたな、相当。」
前田日明
「坂東さんって覚えてます?車のレースやる。UWFの時いた。」
藤原喜明
「知らん。」
前田日明
「俺が青梅の体育館で追っかけ回した人ですよ。青梅の体育館で外人と試合してたら「オイつまんねぇぞ!スープレックスやれ!」だとか言ってリング上の俺と言い合いになって。それでもやめないから、俺、リング降りて追っかけ回した人ですよ。土屋圭市の師匠ですよ。」
藤原喜明
「そんなこと知らねぇよ。んで?」
前田日明

藤原喜明
「カッコいいな。」
前田日明
「カッコいいですよね、本当にね。坂東さんは、昔、ルート20っていう暴走族のリーダーだったんですよ。」
藤原喜明
「(笑)。」
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今のプロレス界をどう思いますか?
前田日明

藤原喜明
「昔ってやっぱりスパーリングだよな。スパーリングがあって、プロレスやるから面白いんだよな。今のやつらなんて、こういうの(筋トレ)ばっかりやってるじゃん?筋肉は凄いけどさ。」
前田日明
「(気になる選手は)いないっすね。」
藤原喜明
「鈴木だろ。」
前田日明
「鈴木?あの鈴木っすか?鈴木のプロレスの試合って見た事ないんですよね。」
藤原喜明

前田日明
「子供二人いるらしいじゃないですか。」
藤原喜明
「そうそうそう。今あいつ必死だよ。巧いよ、あいつ。」
前田日明
「(鈴木の2006年プロレス大賞MVP受賞と聞いて)そうなんすか?鈴木がMVPだって。」
藤原喜明
「だと思うよ。」
前田日明
「そういう選手が2〜3人いないとダメですね。」
藤原喜明
「だけど、やっぱり…どういう事かと言うと…そういうパーッと輝くのは、やっぱり藤原教室だよ(笑)。」
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カール・ゴッチ
ゴッチさんには、毎年クリスマスカードを贈っているという藤原組長。組長は、藤原組の東京ドーム大会の時にお世話になった人たちに、10数年経った今でも誕生日プレゼントを贈っているという話も聞いた事があります。常に義理人情を大切にする組長らしい話ですよね。
前田日明
「(ゴッチさんに)俺、何もやってないんですよね。」
藤原喜明
「ダメだよ、お前。」
前田日明
「そういうの苦手なんですよね。年賀状も面倒くさくて全然書いてないですよ。」
藤原喜明
「だから、誤解されるんだよ。口は正直だからベラベラ言っちゃうしな。そこが良い所でもあるんだけど、欠点でもあるな。」
前田日明
「そうです。おっしゃる通りです(笑)。」
最近は、アメリカの総合格闘技やサブミッション等のセミナーに呼ばれたりしているという藤原組長。
前田日明
![GONG (ゴング) 格闘技 2007年 01月号 [雑誌]](http://rcm-images.amazon.com/images/P/B000KJT5BQ.09.MZZZZZZZ.jpg)
藤原喜明
「2回行ってきた。」
前田日明
「誰がブッキングなんですか?」
藤原喜明
「ゴッチさんの所で知ってたんだよね。ゴッチさんのやつをあれしようとしたら、「わしゃもう年寄りだから、藤原にやらしとけ」っていう事で。」
前田日明
「ジョシュ・バーネットがゴッチさんの所で、こないだ記事見たら「教えて下さい」みたいな。謙虚にやってましたね。スパーリングね。」
藤原喜明
「ゴッチさんの時代なんです、今。何か色々あったんだけど、やっぱりゴッチ、みたいな。」
前田日明
「日本の総合格闘技ってものは、ゴッチさんいなかったら、何も起こらなかったですよ。」
藤原喜明
「なかったね。」
前田日明
「世界でも総合の部分はなかったですよ。」
前田日明
「ゴッチさんって何歳でしたっけ?80…?」
藤原喜明
「82。」
前田日明
「体どうなんすか?」
藤原喜明

前田日明
「両方とも?まだやってるの?」
藤原喜明
「まだやってるって。」
前田日明
「前十字靭帯手術して、退院してきて、2週間目位で自分らと一緒にスクワット1000回位やってましたからね。手術した経験あるからね、信じられないですよ。」
藤原喜明
「だから俺んとこ(藤原組)に来て、スクワットを2000回やったんだよ。」
前田日明
「船木が言ってましたよ。ゴッチさんが船木と一緒に、スクワットを2000回“から”始めるメニューを毎日やってたと。」
藤原喜明
「凄いなぁ。ああなりたいけど。」
前田日明

藤原喜明
「行きましょうか。」
前田日明
「行ったら早速「何だその体は」とか言われて。スクワット最低1000回はやらなきゃあかんなと思うとゾーッとするけど(笑)。」
※長文の為、誤字脱字空耳はご愛嬌で…。
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職人藤原道場