2006年10月13日
versus #3ch301「サムライTV」の夢の対談番組「Versus」見ました。「#3」では「プロレスの砦」以来6年ぶりの対面となる「前田日明×武藤敬司」が実現!
あちこちでよく耳にする話題ばかりでしたが、その中からでも裏話が聞けたり、とにかく見ごたえのある番組でした。今回はその特に面白かった部分を再現してみました。お互いにプロレス界、格闘技界についてはほとんど知らない状態でのトークだったので、その辺を頭に入れてあまり深読みせずに見れば面白いと思います。
前田日明
「ツンツルテンなっちゃったな。」
武藤敬司
「あれ…前…?」
前田日明
「前はまだ、ハゲてたけど毛あった。」


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前田日明の選手発掘

前田さんといえば、選手発掘のセンス。現在、PRIDEで活躍しているヒョードル、ノゲイラ、ダンヘンらも、元を正せばリングス出身。武藤さんは先日母校に講演会で行った時、生徒が1000人位もいたのに身長が190センチ超えてるような生徒がいなかったのを見て、大型選手の発掘の難しさを痛感したそうです。
武藤敬司
「そん中から(日本人の)デカイ選手探さなきゃいけないったら、すげ〜難しい事だな〜と思って。」
前田日明
「野球とサッカー潰したらいるよ(笑)。」


前田さんはタニマチやスポンサーなどに必要以上に頼るのは嫌だというこだわりがあり、企業戦争に勝つ事ができなかった事が、リングス活動停止の原因となったそうです。スポンサー経由で「何とかならないか」といったような“金は出すけど、口も出す”体質が嫌だったとか。「細々と自分で生んだお金で、選手育てたりとか…」が理想だったそうで。それでもリングスであれだけのものを見せてきたんですから凄いですよね。今のHERO'Sではイライラしっぱなしではないでしょうか?(苦笑)
前田日明
「コーディネーターと通訳と3人で、世界中回って来ましたよ。」
武藤敬司
「それはどうやって調べて来るんですか?」
前田日明
「色んなツテがあって。」
武藤敬司
「ノゲイラとかもそうらしいですね。」
前田日明
「そう。ノゲイラは当時アメリカにいてね、えーと…世界柔術選手権で優勝したとかっていう触れ込みで試合やってたんだけど、下から攻めてどうのこうのやるんだけど、アメリカではそういう…地味じゃん?判定でいつもやられちゃったりとか。」
武藤敬司
「今みたいに強くはなかったんですか?」
前田日明
「今ほど強くなかった。片鱗はあったけど、戦績が悪かったね。俺から見たらな、負けた試合でも勝ってるのにな〜っていう試合がいっぱいあるんだけど、アメリカ人わからへんやん。」
武藤敬司
「攻められてると思っちゃうんですね。ロシアのやつはどうなんですか?ロシアの一番強いの。」
前田日明
「ロシアのやつは、当時リングスやってる時に“バーリトゥード最強論”みたいなのがあってさ、ちょっと鬱陶しかったんだよね。で、ちょっと何とかしようと思ってさ。一回、強いのとぶつけてパーンと勝って、そのまま勝ち逃げして「ほらね」ってやろうかと思って。それやりそうだったんだよ、あいつ。」
武藤敬司
「何て名前でしたっけ?」
前田日明
「ヒョードル。」
武藤敬司
「あれもリングスなんすか?!」
前田日明
「アリスター・オーフレイムだって、一番最初ウチでデビューしたんだから。」
武藤敬司
「え?誰?誰ですか?」
前田日明
「アリスター・オーフレイムっているじゃん、オランダの。」
武藤敬司
「アリスター……ちょっと色が黒い?」
前田日明
「そうそう。」

武藤さんの頭に浮かんだのは、辛うじてでも「ヴァレンタイン・オーフレイム」のほうだと思う(笑)。


WOWOWとの契約

リングス活動停止原因のもう一つにWOWOWの契約打ち切りがありました(というか一番の原因ですね)。ネックとなったのは、WOWOWの独占気質。「リングの広告はダメ」、「スポンサー企業を引っ張るのはダメ」とダメダメ尽くしな上、映像の貸し出しも「10秒あたり3〜4万」などと高価。どこのテレビ局も手を付けようとしないので、団体の宣伝効果はほとんど期待できなかったそうです。
前田日明
「WOWOWにしてみたらさ、「リングスってウチでしか見れないんですよ」ってクローズしてやってたんだけど、WOWOWにとっても戦略間違ってたよね。」


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アントニオ猪木

前回お二人が対談した時は、前田さんがリングスで武藤さんが新日本プロレスだったんですね。経緯を知らない前田さんは「どうやって全日本の社長になっちゃったの?」と聞くんですが、武藤さんは「話せば長くなるので…外から見守っててもらうのが一番いいすわ」と軽く流してました(笑)。プロレス界の現状について、前田さんは「コレ(アゴ)がしっかりしなきゃいけないんだよ」と、かつての師匠批判。
前田日明
「自分の事ばっかり考えてさ。全然しっかりしなかったでしょ?やりっぱなし、さらいっぱなしで。必要になったら「ちょっと金儲けしようぜ」って来て、(必要がなくなったら)ゴソッと金持って「じゃあな」とか言って。こっちはどうすんねんみたいなさ。そんなのばっかりじゃん?」
武藤敬司
「分かんないですけど(笑)、ただもしかしたら前田さんの辞められた共通で俺もやめたかもしれないですね。」
前田日明
アゴ「一個、驚いた事があって、引退した時に長州さんと“襲撃事件”以来、初めて会って。プレイボーイで対談したんだよね。で、離れ際にな、長州さんが「アキラ、面白いこと教えてやろうか?維新軍団って何で全日本行ったか知ってる?」って。「何でですか?」って聞いたら、「コレ(アゴ)に行けって言われたんだよ」って。」
武藤敬司
「本当っすか?だって、一説によると一番最初のUWFだって…。」


第一次UWF旗揚げの真相は、80年代からのプロレスファンの間では有名ですね。猪木がテレ朝とフジテレビの二元中継で儲けようとして、前田日明ほか先発隊を行かせたところテレ朝に見つかってしまい、猪木はトンズラ。
前田日明
「俺はその時「行け」って言われたから行っただけなんだよ。一緒に付いて来た社員とか選手は誰も知らないからね。知ってたのは、俺とラッシャー木村さんと剛竜馬選手かな?それで猪木さん「一ぬけた」でさ。猪木さんから「お前戻って来い」って言われたけどさ、そんなん俺の為に会社辞めて来ましたっていう人ばかりだったのにさ、ほっといて帰られへんやん。それやったらもう潰れるの元々でって創めたのがUWF。」


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新生UWF〜

前田さんが「新生UWF旗揚げ〜リングス」までの真相を語っていました。あちこちで見たり聞いたりしている話ですが、本人の口から聞くと、また興味深いものがあります。「顔面襲撃事件」の時って、武藤さんはちょうど海外遠征中だったんですね。
前田日明
 史実 新日本vsUWF 妥協なき闘い! 新日本vsUWF抗争 DVD-BOX「当時プロレスファンが思ったプロレスに対しての色んな劣等感をさ、全部癒してあげてブームになったからさ。これが新日本の全体の力だったら、もっと強くなったんじゃないかなと…。猪木さんは俺ら若い時に「いずれはそういう事する」みたいな事言ってたからさ。できるんだろうなと思って入ったら、そういう気全然ないんだよ。アントンハイセルとか、そういうわけのわからんとこ行ってさ。」
武藤敬司
「俺、前田さんと田舎でも試合いっぱいしてましたよね?タッグとかシックスメン…。あん時、猪木さん、前田さんと試合しなかったですよね?避けられてたんですよね?シングルでやってないですもんね?確か(笑)。」
前田日明
「みんなまとめなきゃなんないと思ったからさ、何か一人で躍起になってさ、後楽園で藤波さんをノックアウトしたりさ。そういうのばかりだったね。」
武藤敬司
「あの…嫌だったら言わなくていいですけど、長州さんとの一連って、あれってどうだったんですか?」
前田日明
「はっきり言って、長州さんが“受ける”っていう部分で俺を信用してなかったんだよね。「蹴りますよ」って肩叩いて…ビデオ見てもらったらわかるけど、蹴りますよってオデコ狙ったんだよ。そしたら長州さん横向いちゃったんだよ。あともう一つは、当時“天龍革命”っていうんで、輪島×天龍戦でえげつない試合してたんだよ。」
武藤敬司
「裏で全日本が。」
前田日明
「ほんでね、俺らはキックブーツって言ってなるべく衝撃の来ないようなのでやっててね、天龍さんはレスリングシューズでさ、輪島さんの顔面蹴ってボコボコにしたんだよ。俺らかすんじゃったんだよ、それで。ヤバイと思って「長州さんとだったら、あれぐらいの事できるんじゃないか」と思って、仕掛けたらああいう風になったんだよ。」
武藤敬司
「で、そのまんま解雇っぽい…。」
前田日明
「当時のテレ朝の辻会長に「クビだ」と言われた。」
武藤敬司
「でも、そのとき前田さん人望あったから、Uの人みんな辞めて行かれて、また新しい組織作ったんですよね?」
前田日明
「いや、一旦みんな新日本と契約したんだよ(笑)。」
武藤敬司
「え?前田さん一人だっけ?辞めたの?だって、UWFっていうのできなかったっけ?」
前田日明
「だから、一番最初は俺一人が解雇になったんだよ。で、もし残りたかったら条件があって「メキシコ遠征行け」と。メキシコなんて行ってもしょうがないじゃん?そんでさ、そんなプロレスずっとやるつもりもないし、金が欲しいわけでもないしさ。いいやと思ってたら、当時HOUND DOGがいたマザーエンタープライズっていう音楽会社の福田社長がね、「くやしい」と。「格闘技戦をやらないか?」って話からはじまったのがUWFなの。」
武藤敬司
「え?でもその後、他の人も行ったんですよね?」
前田日明
「そんで、その話がだんだん膨らんできて。藤原さんも木戸さんも歳いってるのに無理矢理引っ張るのも可愛そうだから、高田と山ちゃんに「資金6千万位あるんだけど来ないか?」って嘘ついてさ(笑)。」
武藤敬司
「本当すか?あ〜(笑)。それに船木と鈴木が…。」
前田日明
「船木も鈴木も俺が引き抜いた。」
武藤敬司
「それから、それも崩壊しますよね?何で…みんな各々が違う方向に行っちゃってますよね?」
前田日明
「UWFをまわりで見ている連中、選手にスポンサーとかが応援しようっていうのが出てくるじゃん?俺はそういう連中からみんなを守ろうと思うから、態度悪くなるじゃん?そいつらは俺が邪魔なんだよ。」
武藤敬司
「各々に空気入れる人たちが生まれたっていう事ですか?で、分裂したって事ですね?だけど、そっからの前田さんカッコ良かったですね。一人でリングス旗揚げしてるから。一人っていうところがまたカッコ良かったですね。生き様というか…。」
前田日明
「一人になっちゃってさ、大阪帰ろうかな〜とも思ったんだけど、帰れるとこないんだよ。その頃、藤原組もさ、UWF何とか(新UWF→後にプロフェッショナルレスリングに改称)とかさ、みんなUWF名乗ってさ。「どっちが本家のUWFだ」とか醜い争いも嫌だなと思ってさ、リングスって付けた。」



リングス〜

前田日明
前田日明 戦いの証・地の章「WOWOWは半年ぐらい動き回ってさ。みんなその間、飯食えなきゃ困るなと思って、自分の貯金崩したりとかハワイに家買えって渡した金を引っ張って来て、みんなに給料やったりしてさ。2ヶ月位だったかな?やったりとか、活動資金とか全部自分で…。高田は何か「自分にも金あったら、そういうのしたいんだけど。金ないから、みんなまとめておきますよ」とか言ってさ。練習しながらみんなで「安心してやって下さい」っていうんで信用してたからさ。んで、一応WOWOWでUWFの放映が決まったんだよ。契約金3億円で…。」
武藤敬司
「それ崩壊する前ですか?」
前田日明
「前。新生UWFの時。契約金3億円で、武道館とか大きい会場だったら放映権で4千万、普通の小さいとこなら2千万とか言ってさ。決まったんだよ。半年一人で頑張って、そこまで話をまとめたんだよ。ほんで「これでみんなに給料、今の3倍位やれるし、良かったな」と思ってさ、みんなを1月の7日に集めて話したんだよね。そしたらさ…。」
武藤敬司
「ああ、その時に空気入れられてるのが分かっちゃったんだ。崩壊に向かったと…。」
前田日明
「あれ〜?と思ってさ。なるほど、俺がおらん間に何かあったんやなと思って。どうなってんのかわかんなかったから、俺の誕生日の時(1月24日)に集めて…とりあえず先に高田と山ちゃん呼んで「今日来たらみんなまとめる為に“解散”って言うから、あと頼むで」って言ってみんな入れて、で「解散」ってやった。」
武藤敬司
「で、その放映権とか不動産とかいうのも全部…。」
前田日明
「全部、流れた。会場押さえたりしたじゃん?キャンセル料払って。関係者の進退問題にもかかわって、クビになったり降格なったりとか…。それも謝ってさ。終わってみたら、すっからかんだよ。酷いでしょ?」
武藤敬司
「…。そっからよくリングスまでいけたですね?」
前田日明
「当時のWOWOW局長の桑田さんが「自分はUWFっていうのは前田さんだと思ってるから、放映しませんか?」って言ってくれて。」
武藤敬司
「はぁ〜。人徳っすね。」
前田日明
「地獄に仏だよ。本当に。おまけに2戦目でヒザ怪我しちゃうしさ。靭帯切れててわかんなかったからさ。だって、最初俺一人でしょ?社員なんておれへんやん?最初。禁則、ブッキング、興行の色んなアレ、全部一人でやったんだよ。3時間位メモってさ。練習して若いの教えて…。ほんで禁則だ何だってわけのわからん事言ってさ。」
武藤敬司
「そのほかに人材発掘にも行ってるんですよね?外国とかにも。」
前田日明
「今考えるとね、どうやってやったんだろうって。何かね…よく言うじゃん?アイドルの人たちが振り返ってみたら「何も覚えてません」とか言うじゃん?そうなんだよ。俺も何も覚えてないんだよ。ただ忙しかったな〜っていうのは覚えてるけど。」
武藤敬司
「それじゃあ、リングスなくなった時は、頭にきますよね…。」
前田日明
「頭にくるよ〜。」


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日本のプロレス

前田日明
「武藤ね、もうはっきり言うとね、日本のプロレスダメだよ。」
武藤敬司
「いや、それでも頑張っていかなきゃしょうがないじゃないですか(笑)。」
前田日明
「もうね、ちょっとほっといて、アメリカにしばらく行って全部潰れた時に戻って来たらええねん。」
武藤敬司
「そんなわけにもいかなくなってきたんですよ、俺だって。全日本の代表してるから、そんな無責任な事できなくなったんですよ、昔みたいに(笑)。」
前田日明
「武藤だったらさ、アメリカ行ってワーッてやってさ、武藤軍団引っ張って来たら…。」
武藤敬司
「いや〜今は通用しないですね。今は日本人で誰も通用するとは思わないですね。」
前田日明
「本当かね?武藤は全然通用すると思うよ、はっきり言って。何でお前日本に帰って来たのかな〜って、不思議でしょうがないね。」
武藤敬司
「いや、やっぱり最終的にはね、人種差別もあるし、色んな部分もあるし…壁をすげ〜感じたんですね。最終的な壁っていうのを…。」
前田日明
「人種差別って言っても、昔の黒人に対しての人種差別ほどじゃないんでしょ?」
武藤敬司
「ただベビーフェイスになったら、絶対トップにはいけないですよね?やっぱりアメリカって。」
前田日明
「悪役でいいじゃん。」
武藤敬司
「悪役だったらいいですよ。対抗だったら。だけど、対抗っていうの、ベビーフェイスがあって順繰りに対抗っていうのを作っていくから。ウルトラマンの怪獣じゃないけど。」
前田日明
「それでももったいないなぁ。」
武藤敬司
「ただ、たぶんプロレスはまだ沈むと思いますけど、またいつかチャンスがあったら、ボコって出てきそうな…しぶとさがあるじゃないですか。」
前田日明
「NOAHが調子いいじゃん。NOAHが。俺なんかから見たらね、NOAHは結構プロレスラーっぽくやってるところがウケてると思うよ。で、肝心の新日本プロレスは、それを忘れちゃってさ。わけのわからんアメリカンスタイル?」
武藤敬司
「新日本は今わかんないですけどね…。」
前田日明
「新日本とかさ、その他はさ。それは武藤が…ある意味お前は天才だからさ、アメリカンスタイルを思いっきり身につけてやって来たからさ、みんな勘違いしちゃったんだよね。あれは天才しかできないのに、あとの凡才連中が「俺にもできる」と思ってやっちゃったから、おかしくなったんだよ。」
武藤敬司
「持ち上げてくれて、何か…(笑)。」
前田日明
「俺はお前は天才だと思うよ。蝶野とかもやってるの見たんだけど、何でコレがウケるのか、さっぱりわかんないね。たぶん要素あるとしたら、武藤が下地をファンに対して植えた結果、蝶野あたりがやってもウケるような土壌をお前が作ったんだろうね。」


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日本の格闘技

武藤敬司
「じゃあ、逆に格闘技はどうすか?まだまだいきます?」
前田日明
「格闘技は心配事があってね、やっぱりグラウンド顔面打撃ってあるでしょ?あれね、一般のオンエアで一般の世帯に放映してるのって日本だけなんだよ。できるの日本だけ。あのブラジルですらできない。」
武藤敬司
「マウントってやつですか?」
前田日明
「マウント状態でバンバン殴るやんけ。あれをブラジルでも放映できるのは、リオデジャネイロ州だけ。あとは全部ダメ。バイオレンス。ヨーロッパ前面禁止でしょ?アメリカでも「今、強烈ないい風が吹いてて」って言うんだよ。「何?」って聞いたら、「ロサンゼルスで興行できるかもわかんない」って。放映は?って言ったら「ケーブル」って。そんな感じだからさ。」
武藤敬司
「ウチの団体テレビ付いてないすよ、民放は。ここは付いてますけど。こういうケーブルは。」
前田日明
「アメリカだったらね、UFCでホイス・グレイシーがやったじゃん?チャンピオンと。あいつらの契約は有線と折半なんだって純益。一興行で300億円。だから、今アメリカ総合格闘技バブルなの。ドン・キングでさえさ、総合格闘技の団体、立ち上げたんだよ。」
武藤敬司
「PPVっていうシステムが定着してるからですね。」
前田日明
「日本が怖いのは、それを見てさ、子供が「HERO’Sの真似しました」って言って死んじゃったと。アメリカはまだクローズでしょ?社会的な事に対する反応っていうのが、TBS凄いあるんだよ。だから、こないだ桜庭でもさ、リングで倒れました、救急車、開頭手術ってなったらさ…。」
武藤敬司
「もうダメですね。イメージ悪いすね。」
前田日明
「死んじゃったってなったら、終わっちゃうんだよ。だから言ってんだよ!俺。せっかくここまでやってきてるのにさ…。」
武藤敬司
「現に次の試合、出ない事になったんですよね?」
前田日明
「ほんでさ、危機管理も全然何もやってなかったんだよ!」
武藤敬司
「…。」


TBSつながりで(?)武藤さんに「亀田は脅威に感じませんか?」と聞かれると、前田さんは「亀田は素人」とズバリ。
前田日明
「亀田はね…今のままでは無理よ。はっきり言って。あのボクシング。無理。すぐ化けの皮が剥がれるよ。もうこないだのランダエタ戦でもあれだったけど。やっぱ素人は素人だよ。日本人と試合しないんだよ。タイとかインドネシアとか、わけの分かんないの連れて来てさ。それはランカーとかチャンピオンなんだから弱くはないと思うよ。でもボクシングってプロレス以上に色んな選手がいるからね。」
武藤敬司
「だって分かんないもんね。どこの馬の骨かもね(笑)。」
前田日明
「色んなマッチメイクあるやん?勝たしたいなというマッチメイク、イチかバチかで強くならすマッチメイク、冒険とか博打で“買ったら大儲け、負けても勲章や”みたいなマッチメイク。3つあるやん?見てるとなんか…。」


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思い出話

武藤は頭がいいからもったいない。(プロレス界に)いないんだよ、こういうの」と武藤さんをベタ誉めの前田さん(笑)。以前「WRESTLE-1 GP」でビッグマウスラウドのスーパーバイザーとしてムタvs曙を観戦した際、武藤さんの天才ぶりに感心したそうです。それに対し「蝶野は何でそんなに人気があるのかって、不思議でしょうがない」というガチコメントも…(笑)。また、前田さんと武藤さんと言えばおなじみの、酒に酔って「お前のパンチは効かない」と3発ずつ殴り合い、次の日大変だったという事件の話も出ました(笑)。

前田日明
「頭いいだけじゃなくて根性もあるしね。だって、UWFで俺ら戻った時にさ、お前を目の敵にしてバッコンバコンにやったからね。顔面バッコーンってやったってさ、「ヘッヘッヘ」って笑って(笑)。」
武藤敬司
「ヘッヘッヘじゃないですよ。痛かったですよ。ただ、ああいう事で闘争心とか、もしかしたら自分の技術の向上になったかもしれないし。」
前田日明
「どうかき回しても、最後まで乱れないからね、これね。普通はさ、カーッと来たらこっちのもんだと思うんだけど。」
武藤敬司
「だって俺、前田さんなんかがUWFで、当時はロープ飛ばないようなプロレスをやってた時から、俺ヘルメット被ったり、ムーンソルトやったりとか…俺だけやってたですもんね。みんな黒いパンツしか穿かないのに俺だけ…(笑)。あん時から主義主張変わってないですよ、あんまり。」
前田日明
光る女「だから、憎たらしかったんだよ。武藤はずっと。あの映画の話(光る女)、一番最初俺に来たんだよ!で、新日本がダメって言って、武藤にしたんだよ。それ聞いて頭に来てさ。「よーし、こいつちょっと何かあった時にボコボコにしてやろう」って思ってさ(笑)。」
武藤敬司
「いや、前田さんあの映画、たぶん出来なかった。しんどい!映画の世界、しんどいですよ!?」
前田日明
「あの監督がメチャクチャ口悪いんやろ?たぶん俺ブチキレてるよ(笑)。」
武藤敬司
「本当、忍耐、忍耐っすよ?映画とか。」
前田日明
「でも、あの可愛い姉ちゃんとラブシーンできるかと思ったら、我慢するかと思ったけどね(笑)。チクショー、武藤そのうちボコボコにしてやろうと思って。今となっては面白い話だけど(笑)。」
武藤敬司
「当時は大変ですよ(笑)。」
前田日明
「で、(飲み会の)翌日さ、熊本大会か何かでテレビ放映の日でさ、武藤も俺も顔こんなに(ボコボコに)なってんじゃん?武藤はね「次のスターだから休ませる」とか言って休ませてるの。で、俺も「僕も休まして下さい」って言ったら、「お前はダメだ」って。顔こんなに腫れてんのに試合…カッコ悪いよ。」
武藤敬司
「前の日試合した外人がビックリしてたっすよ。「俺、あんなに殴ったっけな〜?」って(笑)。」
前田日明
「そりゃそうだよ(笑)。」


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世界戦略

武藤敬司
「前田さん、中国行ってくんないすか?」
前田日明
「中国、行きたいんだよ。」
武藤敬司
「俺も中国行きたいんですよ。プロレスっていうものを持って。中国、プロレスないんすよ。中国人のプロレスラーを作りたいです。ちょっと反日感情利用して。ビジネスいきたいですよ。」
前田日明
「面白いかもわからんね。軍服着てってさ“東條敬司”とかいって(笑)。で、何かあったら軍刀抜く。」
武藤敬司
「ちょっと発掘行って下さいよ、前田さん。中国人。北京語しゃべれるプロレスラーだったら、アメリカにも行ける。ロス、ニューヨーク、行けますよ。」
前田日明
「それでマネージャーでやりたいの?」
武藤敬司
武藤「俺はルー・テーズですよ。中国に乗り込んで、向こうの力道山とやるんです。」
前田日明
「なるほどね。面白いかもわからんね。ちゃんと会社黒字…黒字なの?」
武藤敬司
「はい、今はもう…頑張ってます。大丈夫っすね。」
前田日明
「とりあえずNOAHや。」
武藤敬司
「いや、ゴーイング・マイ・ウェイです。とりあえずどこも比較しないで、ゴーイング・マイ・ウェイですね。」
前田日明
「それでね、あんまり引きこもると…オタッキーなってもあかんねん。」
武藤敬司
「いや、今の時代はオタッキーの時ですから。だって、今「ファイト」って雑誌ないんですよ?」
前田日明
「不戦主義で「ウチだけ真面目にやってます」っていうのも…。長所も短所も頭良すぎるとこだから。」
武藤敬司
「純粋にはやってないですよ。色んなものを仕掛けたり…。前田さん、今日はありがとうございます、どうも。」
前田日明
「ね?頭いいから、こうやってまとめてくれるでしょ?(笑)」


※誤字脱字空耳はご愛嬌で…

FIGHTING TV サムライ
HERO'S OFFICIAL WEB SITE
週刊 前田日明
カクトウログ
全日本プロレス公式ホームページ
武藤社長日記


この記事へのコメント
長文、乙!ですw

子供の頃よくプロレス観てたんですよ。
長州力とか全盛の頃。
その後は観なくなってしまいまして、
前田氏の凄さがわからないんですよねぇ。

ワタシの住んでた町に前田氏も短期間住んでたって言うのは、
知ってますがw
Posted by ケッコー at 2006年10月15日 00:23
ケッコーさん、こんばんは。

>子供の頃よくプロレス観てたんですよ。
>前田氏の凄さがわからないんですよねぇ。

子供の頃は、ニールセン戦とかドールマン戦とか真夏の格闘技戦とか、メチャクチャ燃えましたよ。
特に新生UWFは社会現象にもなりましたからね。
当時はテレビ中継もネットもなく情報源が限られてたので、
週刊プロレスでよく目にした「密航(地方から長距離移動してUWFを観戦する事)」の話なんかには、凄い憧れたりしてました(笑)。
Posted by マック at 2006年10月15日 20:33
こんばんわ、マック様。

長文の字起こしお疲れ様です。
幾つか興味深い新事実を知りました。
この二人は、頭いいですね。前田さんは、文章を読む限り、先見の目がありすぎる、早すぎるという印象を受けました。あと、1つ気になったのは嫌いなものに対して(ここの記事でいえば、蝶野さん)でも、有効だとわかったら認める柔軟さが前田さんに欲しいかな。頑固すぎて、また失敗という可能性もあるし。この事さえ、無くなったら、順調に行くと思います
Posted by kenjipunkrock at 2006年10月16日 19:24
すみません、書き忘れました。

くりぃむしゅーのオールナイトニッポンで、有田さんがこの番組を見ていたらしく、長州さんと大仁田さん、馳さんと健介さんが、この番組で対談したと言ってました。凄い組み合わせですね。
Posted by kenjipunkrock at 2006年10月16日 19:29
kenjipunkrockさん、こんばんは。

僕は、正直者が馬鹿をみていて、まわりの世渡り上手に
振り回されてるような印象を受けました。

>1つ気になったのは嫌いなものに対してでも、
>有効だとわかったら認める柔軟さが前田さんに欲しいかな。

ある意味不器用で頑固な生き様が、男としてカッコ良かったり。
僕はVersusの「長州×大仁田」も見ましたが、
長州さんみたいに、あそこまで丸くなるのも
ちょっとな〜と思いますよ。
Posted by マック at 2006年10月17日 20:35
文字にして下さっていや〜本当ありがたいです。
正直に言うと前田さんは色々と嘘や女々しさが見えますね。 強がる人は内面がもろいといいますが、本当に昔の自分を見ているようなところがあります。(私は今は引退の身ですが)
やはり耐え忍ぶ人間 の強さや日本人らしさは武藤さんの強みだと思いました。
お金が大好きすぎる 前田さんは何か大切な事を忘れています。(本人はそう言ってないがそう感じる)
お客を大切に思わないプロには傲慢な金儲けでしかない。
お客を大切にするプロには何故だか富が生まれる。
興行とはそういうものです。
あの流血事件も人のせいにする浅ましさはあり得ない。
プロならば故意にやったor自分のミスだと言えよ。
本人がいないところで加害者ぶるなんて本当に小さいと思う。猪木についてもくどいと感じます。
高田にしてもあまりにも長い間猪木を意識しすぎて気の毒だよ。猪木はもう過去の人なのに亡霊に踊らされすぎでしょ。
Posted by ダイオウイカ at 2012年02月13日 03:52
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前田最高。
Excerpt:  サムライTVの対談番組「VERSUS」を見た。長州vs大仁田、馳vs健介と続き、今回は前田vs武藤という「マッチメイク」だったんだけれど、Uの解散にまつわる新事実や長州率いる維新軍が全日に行った本当..
Weblog: 考えるプロレス。
Tracked: 2006-10-14 03:52

前田VS武藤対談の中身
Excerpt: http://skapanahibi.seesaa.net/article/25433455.html よーく考えてみると格闘技・プロレスそれぞれの業界のNo.1同士の対談ですね。...
Weblog: RINGS最新ニュース
Tracked: 2006-10-15 11:46

[格闘技][プロレス][全日][リングス][TV][CS][ブログ]前田日明と武藤敬司の対談テキスト
Excerpt: 「カクトウログ」が紹介しているのが「スカパー!な日々」ブログ。 http://skapanahibi.seesaa.net/article/25433455.html 多くの部分は、古典落語のように..
Weblog: 見えない道場本舗
Tracked: 2006-10-16 02:08

前田日明/オーラの泉
Excerpt: オーラの泉レビュー@オーラの泉を振り返る、へようこそ 今週は前田日明さんです。もーーーー!超カリスマ!。わたしの青春のカリスマみたいな存在です! オープニング【前田日明・スピリチュアル・チェック】◇1..
Weblog: オーラの泉レビュー@テレビ朝日オーラの泉を振り返る
Tracked: 2006-11-03 10:12


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