2006年09月22日
上田ちゃんネル #2ch717「テレ朝チャンネル」 番組スケジュールが未定のまま、いつの間にか初回が放送済みだった(笑)、「上田ちゃんネル #2」見ました。
初回放送とほぼ同時に更新したと思われる番組スケジュールのページには、なんと「◎急遽、9月より月2回更新になりました!」の文字が(笑)。このルーズさが、またこの番組らしくて良かったりするんですけどね(笑)。月2回の放送は嬉しいです。

オープニングは前回よりもパワーアップ!前回カセットで手動だったOP曲(新日本プロレスの「ザ・スコアー」)が、きちんと“自動”で流れてました(笑)。今回のテーマは「ボクシング」。
上田晋也
「あらかじめ言っておきますけども、「ボクシング、テレビで何回か見た事ある」とかっていう人、おそらく話についてこれないと思います。もの凄くマニアックというか細かい…米粒に字を書くぐらい細かい作業をね、今日はお送りしようと。なんせ“右ストレートで1時間”ですからね。」


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今回のテーマ
「ボクシング “右ストレートで1時間”」


右ストレート
右の基本的な構えから重心移動を利用し、目標に向かって一直線に打ち抜くパンチ
今岡武雄.jpg斉藤一人渋谷淳.jpg

ゲスト解説
今岡武雄(イマオカボクシングジム会長)
斉藤一人(イマオカボクシングジム チーフトレーナー)
渋谷淳(ボクシングライター)


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≫辰吉に並んだ!名城 雑草王者だ(スポナビ 06年7月23日)

上田さんは、先日名城信男選手が右ストレートで日本人最短世界王者(8戦8勝5KO)になったという事で、今回「右ストレート」をテーマにしようと思ったそうです。「右ストレートを打てない選手」と言われながらも、それを克服して世界を獲ったという名城選手。その右ストレートは「パンチの軌道の出どころが見えにくい」と報道されていたそうですが…。
上田晋也
「ねっ?マニアックでしょ!?いきなり(笑)。“普通の右ストレート”と“軌道の見えにくい右ストレート”の違いなんかを…。」
今岡武雄
「“軌道が見えにくい”って、物理的な場所とかっていうより、おそらくタイミングだと思うんですよ。このタイミングで打たれちゃ嫌だっていうタイミングってあるんですけど、それがたぶん“軌道が見えにくい”って表現していると思うんですね。」
上田晋也
「ガッツさんの右ストレート、普通の右ストレートなのに“幻の右”って言われてたじゃないですか。あれって“ワン・ツー”が普通だとすると、“ワ・ツー”ぐらいの感じだから、左で目を隠しておいてのコレだから見えない。で“幻の右”って言われてたっていうような話を聞いた事あるんですけど。要はそういうような事なんですか?」
今岡武雄
「そういう事だと思いますね。」


名城選手は“ワン・ツー”のタイミングを変えて読まれないようにして戦ったのが勝因だったそうです。ってか上田さん、今岡会長相手でもボクシングの知識で負けてません。さすがウンチク王(笑)。

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右ストレートのバリエーション

上田晋也
「右ストレートのバリエーションって、そんなにあるものなんですか?」


右ストレートの打ち方自体は「強く打つ」、「長く打つ」、「速く打つ」、「タイミングを遅らせる」、とそんなにはなく、その前の仕掛け(フェイント)の方が大事だそうです。
今岡武雄
「色々ありますけど、例えば徳山選手。ジャブと足を多用して一つの場所にはいないですよね。足を使ってジャブを突いて、相手の注意力を散漫にさして、見えない所から右を打つ。」


We are One!―Hong Chang su・Masamori Tokuyamaボクシングライターの渋谷さんが取材で聞いたという話では、徳山昌守選手の右ストレートは、二度と同じタイミング、同じ角度で打つ事がないので、それだけ的確に当てる事が可能なんだとか。
渋谷淳
「そこまではね…ちょっと私も見てて…(わからない)。う〜ん、そこまで違うのかなと。」


ワン・ツーを本当にしっかりと打てる日本人選手って少ないと思う」という今岡会長。どうしてもジャブ→ワン・ツーと教わるので、初歩的なパンチの一つと思われがちだとか。現役時代は右ストレートを得意としていたという斉藤さんでさえも「ワン・ツーは難しかった」と言っています。どうしてもガードの内側から入れたいと思ってしまうとか。
斉藤一人
「当てに行く時って、ちょっと角度を変えて行かなきゃいけない。そしたらその間に動かれてたりだとか。そうすると外側から打って相手を動かさせないようにして、内側を打つとか。」


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右クロスと右ストレート

今岡さん曰く、右クロスと右ストレートの違いは「軌道とタイミング」。真っ直ぐ打つ右ストレートに対し、外側回り気味に打つのが右クロスですが…。
上田晋也
「右フックに近いんですか?」
今岡武雄
「右フックに非常に近いですね。」
上田晋也
「右フックと右ストレートの間ぐらいの?」
今岡武雄
「本当に間ぐらい。微妙なとこだと思います。」


人の捉え方によっては、右クロスを「右フック」と表現する人もいれば、「右ストレート」と表現する人もいるほど、微妙なところだそうです。ボクシングライターの渋谷さんが言うには、KO決着があった時「今のは右フックか、右クロスか、右ストレートか」と記者席で議論になる事もあるそうです。
上田晋也
「客席の見る角度によっても、違ったりもするかも分かりませんしね。」
渋谷淳
「ですから、人によっては「本来は右フックっていうパンチはないんだ」と言う人もいますね。」


実際「右フック=大振り」というイメージがあるので、大抵のボクシングジムでは右フックを教える事はまずないそうです。しかし世界的に見ると「右フック」は凄い多用されてますが…。
上田晋也
「何で日本は教えないんでしょうね?」
今岡武雄
「何か日本の…(笑)。」
上田晋也
「例えば、ハグラーvsレナードの。レナードがよく当ててた右のスイング気味の。あれは右フックと捉えていいんでしょ?」
斉藤一人
「そうですよね。」
上田晋也
「あれ右ストレートじゃ、やっぱり…。」
斉藤一人
「じゃないですよね。」
上田晋也
「でも、あの右のスイング気味ので、ハグラーのヒザぐらつかせたりっていう…勝機のポイントにね?日本人でフック打つのは難しいんですかね?」
斉藤一人
「日本人でも打ってる人はいますよ。またここ難しいと思うんですけど、フックというよりスイングみたいな形になってきますよね。」
上田晋也
「やっぱりレナードの場合は、スピードがあったからこそスイング気味の大振りでも当てる事が出来たみたいな。」


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右ストレートの防御法

ボクシングの主な防御法には、腕でガードする「ブロッキング」、上体を動かす「ウィービング・ダッキング」、足自体を動かす「ステップワーク」があります。
今岡武雄
「3つとも該当するわけですけど、速いストレートなんかを避ける時ってのは気がついた時にはもう来てますから、まずやっぱり有効的なのはブロックですね。こっちもオーソドックス、向こうもオーソドックスであれば、やっぱり左のガードをしっかり上げとくっていう事がまず有効になるんじゃないでしょうか。」


カウンターとしては、ちょっとスウェーバックして左フックを合わせるのが得意だったという今岡会長。対戦相手の動きには一定のリズムがあり、それは1Rにジャブを交換している時に読んでおくそうです。というか、それだけで読めるのが凄いですよね。
上田晋也
がんばれ元気 (7)「マンガの話で申し訳ないですけど(笑)、「がんばれ元気」で関拳児が放送席にいてね、元気の防衛戦を見るんですよ。そこで関拳児が「2RでKOしろ」って、元気にいうんですよ。で、元気は1R打たずに全部見るんですよね。で、癖を見て「あ、今ここでカウンター入れられる」っていうのを1Rに全部整理して、2Rでやっちゃうみたいなね。」
今岡武雄
「ありますね、それは。」


まさに今岡会長の言う「ジャブを交換している時に読む」って、上田さんが言った「がんばれ元気」のストーリーそっくりですよね。
逆にビデオなんかを見て研究しすぎると固定概念を持ってしまうので危険だとか。

巧い選手になると、さらに逆手にとり“違う情報”を相手に与えるなんて事もあるそうです。
今岡武雄
「僕が東洋獲った時のサムエル・デュランという選手なんですけど、1R全然手を出さないんですよ。「恐らく手の内を隠してるんだな」と思って。でも2Rもさほど手を出して来なかったんで、僕、結構なめてですね…勝った気でいたんですね(苦笑)。ところが3R目からいきなり来たんですね。手の内をそういう形に読ませたんですね、僕に。僕も前に出るタイプではなかったんですけど、3R目からちょっと調子こいて前に出てったら…バチーンといいのもらって…目が覚めたんですけど(苦笑)。」
上田晋也
「本当に1R目、2R目の水面下のやりとりっていうのも、たまらないものがね。どうなんですか?チーフどうですか?」
斉藤一人
「僕はないです(苦笑)。」
上田晋也
「それが会長との差かぁ〜(笑)。」


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モハメド・アリの右ストレート

モハメド・アリ/世界が見た王者の姿 (初回限定生産)モハメド・アリの大ファンだという斉藤チーフ。
イマオカジムでは、アリが日本で練習した時のリングを手に入れて、色を塗って使用しているほどだそうです。

モハメド・アリの右ストレートって力んでないんですよね」と説明する“アリフリーク”の斉藤さん。特にクリーブランド・ウィリアムスをKOしたバックステップしながらのワン・ツーは衝撃的だったそうです。今岡会長はそれを「相手の弱点をピンでさわってあげる感じ」と表現してました。まさに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」ですね。

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4人が選ぶ、右ストレートの名手 BEST 3

今岡武雄(イマオカボクシングジム会長)
1.カルロス・サラテ
 自分を指導してくれていた会長に「サラテのように打て」
 と言われ続けてたから
2.リカルド・ロペス
 何度もロペスの右ストレートを真似していた
3.高橋直人
 打越秀樹を破ったレーザービームのような右ストレートが衝撃的

斉藤一人(イマオカボクシングジム チーフトレーナー)
1.ユーリ・アルバチャコフ
 ユーリは右クロスは右ストレートの軌道
2.トーマス・ハーンズ
 右ストレートといえば、この人
3.リカルド・ロペス
 全般的に基本の綺麗なボクシングをする人

渋谷淳(ボクシングライター)
1.トーマス・ハーンズ
 打ち抜き方が衝撃的
2.ユーリ・アルバチャコフ
 肘が逆に曲がっているような打ち方が印象的
3.徳山昌守
 現役選手の中では一番の名手

上田晋也(くりぃむしちゅー)
1.ユーリ・アルバチャコフ
 皆さんと同じく外せない
2.トーマス・ハーンズ
 皆さんと同じく外せない
3.マーベラス・マービン・ハグラー
 サウスポーなのに最後は右でしとめるお得意パターン

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今回は「右ストレートで1時間」、「マニアックで細かい」という事で、どんな番組になるんだろうと思ってましたが、実際見てみると勉強にもなったし面白かったです。プヲタ的に見れば「ラリアットで1時間」語ってるような感じですかね?(これなら何時間でも語れる(笑))。
ちなみに亀田の名前は一度も出てきませんでした。
上田ちゃんネルは、“上田晋也が自らのために、心のままにお送りする”番組という事なので、ぜひ芸人仲間を読んでの「長渕剛で1時間」なんていうのが見てみたいと思いました(笑)。

テレ朝チャンネル
上田ちゃんネル
イマオカボクシングジム
前回:上田ちゃんネル #1
上田ちゃんネル攻略マニュアル「上田と古坂」


この記事へのコメント
これはいい番組ですね!
この奥深さが次にボクシングを見るときに役立つんですよね。
プロ野球でも何でもそうですが、一つのことに重点を置く解説が好きです。アナウンサーと話しているだかはパスです。

ラリアットで1時間なら参加します。(笑)
Posted by 団毬 at 2006年09月23日 01:05
こんばんわ、マック殿

興味深く読まさせてもらいました。
右ストレートだけで1時間語るとは、他ではまず無いですね^^
ワン・ツーが難しいってどこかで聞いた事あったのですが、本当にそうだったんですね。ボクシングの奥深さが、よりわかったような気がします。
Posted by kenjipunkrock at 2006年09月23日 19:57
団毬さん、こんばんは。

前回はもっとフリートークな番組だったんですけどね。
正直、最初は右ストレートだけで1時間って、どんな
番組になるんだろうと想像つかなかったんですが、
実際見てみると、とても見ごたえがあって、
1時間があっという間でした。
上田さん、2回に1回はボクシングの話題で…なんて
言ってましたが、それはさすがに見る側がキツそうです(苦笑)。

>ラリアットで1時間なら参加します。(笑)

ラリアットがテーマなら、1時間ではとても足りないですよね(笑)。
Posted by マック at 2006年09月23日 20:19
kenjipunkrockさん、こんばんは。

>興味深く読まさせてもらいました。
ありがとうございます。
僕も今回の番組はとても勉強になりました。
こういう知識が頭に入ると、次ボクシングの試合を
見るのが楽しみになってきたりするんですよね(笑)。
本当に奥深いと僕も思いました。
Posted by マック at 2006年09月23日 20:25
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