
エレファントカシマシ 1981年赤羽にて結成、1988年デビュー。骨太なサウンドに文学的な歌詞で、多くのロックファンから支持を得ている4ピースバンド |
ジョージ・ウィリアムズ
「久しぶりでございます。」
宮本浩次
「久しぶりです。」
ジョージ・ウィリアムズ
「最後は…ラジオの公開収録とかありまして。その時はありがとうございました。」
宮本浩次
「いや、こちらこそありがとうございます(笑)。」
ジョージ・ウィリアムズ
「お客さんの前でお話しましたね。で、せっかく来てもらったという事もありまして、お茶は…かなり種類が限られてますけど、何が?」
宮本浩次
「オレンジジュースをいただきます。」
ジョージ・ウィリアムズ
「お茶が凄い好きだから、当然ウーロン茶とか緑茶にいくんだろうなと思ったんですけど、あえてオレンジジュース?」
宮本浩次
「体に良さそうな感じがするんですよね。」
ジョージ・ウィリアムズ

マスクマン
「(すぐさまオカモチ持って登場)」
宮本浩次
「凄いっすね(笑)。」
ジョージ・ウィリアムズ
「凄い早いんですよ。」
まずは出身地の話から。宮本さんが赤羽出身で、ジョージさんが東久留米出身。ジョージさんは確か鹿児島生まれで12歳まではイギリス育ちなんですよね?
ジョージ・ウィリアムズ
「僕は東久留米出身なんですよ。宮本さんは赤羽ですね?」
宮本浩次
「はい。」
ジョージ・ウィリアムズ
「僕は、東久留米で育ったっていうものが、今の自分には凄く大きいと思うんですよ。赤羽ってどういう町なんですか?何を感じました?」
宮本浩次
「凄く色んな土地に匂いがあるじゃないですか。東久留米にも赤羽にも六本木とかにもさ。そうすると、やっぱこうその中に匂いっていうのが…どちらかといえばガラがちょっと悪い町の中に…いい意味で庶民的な部分が何となく入ってると思うんですよね。」
ジョージ・ウィリアムズ
「どんな子供でした?」
宮本浩次
「あのね、合唱団に行ってたんですよ、僕。小学校の頃、NHKの合唱団に行ってて。」
ジョージ・ウィリアムズ
「それが凄い売れたって話ですね。10万枚ですよ!?」
宮本浩次
「っていうのを、僕は勝手に自分で言っといて…(立ち上がって)本当なのかどうなのか分かりません。それ10万枚か。」
ジョージ・ウィリアムズ
「OK(笑)。」
宮本浩次
「3万枚かな…?10万枚って聞いています、私は…。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。形になってるっていう事ですね。」
宮本浩次
「はい。」

ネット上の情報を調べてみた限りでは、確かに10万枚のヒットだったみたいですね。「はじめての僕デス」、聴いた事ありますけど、結構今と歌い方が変わらないんですよね(笑)。
ジョージ・ウィリアムズ
「で、同級生とバンドを組んだのが15歳の時だったんですか?」
宮本浩次
「はい、そうです。同級生、中学校1年の時からの仲間とね、15歳。」
ジョージ・ウィリアムズ
「親の反応はどうでした?」
宮本浩次
「父親は、もうちょっと男っぽい、サッカーとか野球とかをやって欲しかったと思うんですよね。でも、母親は凄い喜んでたと思いますね。」
ジョージ・ウィリアムズ
「じゃあ、ライブには?」
宮本浩次
「今でも来てくれます。71ぐらいですか…分からないですけどね。耳栓して聴くんですよ。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。」
宮本浩次
「「あんたの声うるさいから」って言って、耳栓はしてるらしいんですけど…(笑)。」
ジョージ・ウィリアムズ
「いいですね(笑)。じゃあ、エレファントカシマシの会場に行って、耳栓している70歳ちょっとの方がいたら、それはお母さんっていう事ですね(笑)。」
宮本浩次
「はい。」
宮本さんのご両親というと「地元の朝」がすぐ頭に浮かびます。
ジョージ・ウィリアムズ
「宮本さんは昔、結構尖ってたっていう話を耳にする事あるんですけど?」
宮本浩次
「でも…どうですか?若い時って、割と自分をこう…凄く一生懸命頑張ってたし…若い人っていつでもそうだと思いますけど、大人よりかは傷つきやすいし、色んな事に慣れてないから。そうすると、やっぱこう…例えばですよ、お客さんの前で僕が歌を歌ってて、デビュー当時の時って、手拍子をこうやってやってくれるのは嬉しいんですけど、「いや、お前本当にこの曲面白いと思ってるか?」って。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。」
宮本浩次
「分からないですけど、「本当にそれで手拍子してんの?」とかっていうのをお客さんに聞くとか、そういう事の積み重ねなんですよ。「面白くないのに拍手する必要ないんじゃないか?」とか。でも、それはそういう事じゃなくて、楽しいものなんだから、そんなことを言う必要はないんですよ、本当は。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。」
宮本浩次
「みんながそれぞれ、居たい人は居ればいいしっていうのを、もっと大らかに…。それがまだたまに出ちゃうのが、去年か一昨年にコンサートやってて、やっぱおしっこしたくなる人とかいるじゃないですか。歌ってる時にですね、立ち上がって非常口の方に行く人とかがやっぱいるわけですよ。僕はちょっと失敗したんですけど、「おしっこ行くなら今行って下さい!」って、「曲と曲の合間に行って下さい!」って、ついつい言っちゃって…。そしたら、ますます行きづらいじゃないですか。」
ジョージ・ウィリアムズ
「そうだよね(笑)。」
宮本浩次
「ちょっと後で反省したりとか…堅苦しいんですよ。今は、今年ぐらいから直ってるんですけど。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。」
さらには「ピアノの先生に「やめて下さい」と言われた」エピソードも。これはファンの間では結構有名ですけど、ここまで詳しくその時の話を聞いたのは、僕は初めてかも。

「ヤマハのピアノスクールに僕行ってて。当時35歳ぐらいの凄く気品の良い女性だったんですけど、「奴隷天国」っていう割と過激な事を歌ってある内容のCDで、その先生に「僕らのCDです(笑)」ってあげたら、その次から何となく僕を見る目が少し変わっちゃって。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。」
宮本浩次
「それで、ちょっとした事で反応するようになったんですよ。「先生、説明して下さい」って先生に言うと、「怖い」って言うんですよ、今までと同じなんですけど。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。」
宮本浩次
「CDを聴かせて…僕もちょっと「悪い奴」っていうの丸出しなんですけど、先生が「私は小さい子供達を教えてるから、大人を教える事があまりなくて。それでも私一生懸命頑張ってきました。でも、一生懸命やってるだけなんでしょうけど、あなたの受け答えとかは“怒られてる”ようで私から見ると怖いから…どうします?」って言うんですよ。」
ジョージ・ウィリアムズ
「(笑)。」
宮本浩次
「実は凄くショックで。一生懸命、毎週練習に行ってたし、ピアノもわざわざ鍵盤のこういうの買ってやってて…。一生懸命頑張って弾いてて「怖い」って言われたのがショックだったから、「だったら“私はあなたの事を教えるレベルじゃないから、お願いですからやめて下さい”って言え(怒)」って。」
ジョージ・ウィリアムズ
「…!」
宮本浩次
「「じゃあねぇと、言ってる意味がわかんねぇ。言いなさい」って。「私、もう教えられないからやめてください(震)」って言って。当たり前じゃないですか、僕が悪いんですよ。そんなことを…本当ツライ思い出で…。」
ジョージ・ウィリアムズ
「一生懸命やっていて、それでピアニストってクラシックピアニストだって熱くなるじゃないですか。その気持ちでやっていたのに、先生がストレートに「やめて下さい」って言わなかった事を…?」
宮本浩次

ジョージ・ウィリアムズ
「そういう過去がありました。」
宮本浩次
「あぁ…思い出しちゃいました…(苦笑)。」
確かに6th「奴隷天国」は、1曲目から「奴隷天国」「太陽の季節」「絶交の歌」って…かなりヘビーですからね(苦笑)。でも、最後の「寒き夜」とかは先生でも良いと思ってもらえる名曲と思います。
ジョージ・ウィリアムズ
「この番組でよくゲストの皆さんと一緒に音楽のルーツの話をするんですよ。どういう音楽を聴いて育ったのか。例えば、数年に1回必ず聴き直す音楽ってありますか?昔は聴いてたけどまた聴きたいなっていう、必ず戻るっていうアーティストは?」
宮本浩次

ジョージ・ウィリアムズ

宮本浩次
「魂…だと思いますね、魂ですね。人が一生懸命やってるものの何か…一番素晴らしい形で入ってるように聴こえるものが好きなんでしょうね、完成度が高いっていうか。」
ジョージ・ウィリアムズ
「洋楽のライブにも結構行ってるんですか?」
宮本浩次

ジョージ・ウィリアムズ
「そういうミュージシャンって、もしかしたらステージに立ってて…所詮音楽って一人で聴くものじゃないですか。だから、ライブも一人で、色んな人達がいて沢山いると盛り上がるというのも分かるんだけど、一人で感じるものっていうのが分かってるんでしょうね。」
宮本浩次
「そうですね。」

エレファントカシマシ
日本テレビ系「音楽戦士 MUSIC FIGHTER」10月オープニングテーマ
ジョージ・ウィリアムズ
「今まで過去の話をしてきたんですけど、ニューシングルが出ましたね。」
宮本浩次
「はい。」
ジョージ・ウィリアムズ
「これはどういう仕上がりになってますか?どんな曲ですか?」
宮本浩次
「そうですねぇ……凄い1番の歌詞に、毎日“光”を感じてるんだけど、それをどうしたらいいかっていう…憂いがあるんだけど、平たく言うと前向きな歌っていう風に思って、メロディーとアレンジがバシッと合った、凄い素敵な曲になったと思ってるんですね、自分で。」
ジョージ・ウィリアムズ
「曲はどうやって出来たんですか?苦しみながら出来たものだとか…?」
宮本浩次
「そうですね…いや、でもやっぱ一生懸命やらないと届かないですからね。僕はそれこそキャリアは凄いあるから。もうアマチュアの時から入れると25〜6年、今のメンバーとやってるんですね。そうすると、色んなやり方をやってきてて…毎回狙いまくってるんですよ。「シングル売れろ!」って…売れろっていうとまた…。」
ジョージ・ウィリアムズ
「より多くの人に、もちろん聴いてもらいたい。」
宮本浩次

ジョージ・ウィリアムズ
「一発録りでもあるし…。」
宮本浩次
「4人でバンドの合宿やったり…。」
ジョージ・ウィリアムズ
「オーケストラ入れようと思えばできる。」
宮本浩次
「できるし。今回は、だから「どうやったらみんなに一番届くんだろう」って…物を作る人は、みんなそうだとは思うんですけど、こういう(ペットボトル)パッケージのも含めて。それを何か凄く…亀田さんっていう信頼できるプロデューサーなんですけど、彼と「やろう!」って決めて。で、そこから「どうやったらみんなに届くか」っていうのを、やっぱり…それは古今東西どこのみんなでも同じとは思うんですけど。」
ジョージ・ウィリアムズ
「25〜6年、同じメンバーで活躍してて、普通たぶん25〜6年やっていると、曲作りもスタジオ入って何となく流れができるから「より簡単にできるんじゃないか」っていう考え方もあると思うんですけど、でもそうじゃなくて、初期の頃と同じ位の気持ちで“出すものは全て魂を入れて出す”っていうのは変わってないんですね。」
宮本浩次
「それをあれしちゃうと(手を抜いてしまうと)、あとで凄い後悔ですよね。」

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